Photoshop 高画質のまま拡大。「スーパー解像度」

ある日、Adobe Creative Cloudからこんなメールが届きました。
<高画質のまま画像をサイズアップ!>PhotoshopのAI新機能「スーパー解像度」
photoshopで画像を扱う時は、大きな画像をある程度縮小し、「これ以上は大きくしないだろう」くらいのところでスマートオブジェクトに変えて、デザインなりフォト制作に使うという感じです。
基本的に解像度の低いものを高い状態にすることはできないという認識でいましたが、
高解像度のままサイズアップできるということで、一体どういうことなのか調べてみました。
機械学習による品質の補完
photoshopではすでに、「ディテールの強化」という機能がリリースされています。今回のスーパー解像度は、その続編です。
「ディテールの強化」は、機械学習を使用し、RAWファイルを補完してノイズの少ない鮮明なディテールを実現する機能です。
2016年に発表されたAdobeの人工知能技術、Adobe Senseiの登場で、ここまで技術が進んでいたようです。
JPG、PNG、TIFFでも可能
RAWファイルだけではなく、WEB制作に使われるJpegやpngにも対応しています。
生成されるデータ形式はDNG。そこからさらにJpegで保存しなおしたりもできます。
RAW形式以外のファイルは、今のところ直接PhotoShopから強化を行うことはできなくて、Adobe Bridge経由でCamera RAWを開く必要があります。
とりあえずやってみる
サンプルとして、以下のJpg画像を使うことにしました。
1、Adobe Bridgeで対象の画像を右クリックで、「Camera Rawで開く」を選択します。
2、Camera Rawが開いたら、画像の上で右クリックし「強化」を選択

3、ダイアログが開くので、「スーパー解像度」にチェックを入れて「強化」をクリック

これで、同じディレクトリに、2倍の大きさになった「●-強化.dng」が保存されます。
Adobe Bridge上で、そのdngファイルを選択して保存オプションからJpegで保存することもできます。
確かに、普通にバイキュービック法で引き伸ばしたものと比べると、わずかですが、エッジがはっきりしてます。
目のところははっきり違いが出ていますね。

スーパー解像度の活かしどころとPhotoshopの進化について
プリントするためにすごく大きな画像が必要だったり、昔の低解像度の写真を綺麗にしたい、といった場合に役にたつものなので、今のところはWEB制作に活かすための技術というわけではありません。
ただ、AIを使って足りないところを補完できるようになる、今後もどんどん進化していくという面で、最近Photoshopの機能にびっくりすることがあります。顔がすごく自然に変わったり、ものが簡単に消えたり。
このスーパー解像度は、本当に簡単な操作でできることですが、一方で、物を消したり変形させたりする画像加工は、簡単にできると思ってたら実はまだまだそうではないので、フォトショップを持っていれば誰でもできるというレベルではありません。たとえば選択範囲をオートで作っても微妙にずれていたり、コンテンツに合わせて塗りつぶしても違和感があったりと、手作業での調整はどうしても必要です。機能一発で加工を終わらせるためには、それなりに素材を選ぶ必要があります。
今後は、Adobe Senseiによってさらに人の手がいらなくなるのだろうか…と思うと、今以上に、オペレーション技術よりもセンスやアイデアが重視される時代になる気がします。